【ドッグトレーナー推奨】現代の犬のしつけの必要性と最新の考え方
こんにちは!
埼玉県さいたま市北区にあるしつけ教室
Pet Life Consulting シンビオーシス
代表の岡田敏宏です!
(ドッグトレーナー・動物看護士・トリマー)
この記事では犬のしつけについての
- 最近の考え方
- しつけの在り方
この2点において岡田自身が考える当店の特徴にもなっていることについてお話していきます。
犬のしつけやトレーニングの考え方は時代や住環境とともに変わってきています。
動物行動学の研究も発展していき、岡田も日々論文を読み漁っていますがどんどん更新されていきます。
今まで良いとされてきたことが犬との関係を悪化させる原因になることもあります
特にマズルコントロールはトリミングをしていても口周り触られるのが苦手な子になっていた
トレーニング時は手を伸ばしたらスッと後ろに下がったりなど手を怖がるようになっていました。
本当に生活に必要なことだけを残して今の時代にあったしつけ方法に一新しませんか?
Pet Life Consulting シンビオーシスでのしつけを愛犬愛猫と幸せな暮らしを送るために役立てていただければと思います。
犬と人との「上下関係」に基づく強引なしつけが主流だった
しつけやトレーニングを最新の情報にアップデートするためには、人と犬の関係や社会生活など時代の移り変わりを知っておくことが大切です。
昔は犬は家族の中で順位づけをするとされ、人と犬の関係は「上下関係」と考えられていました。
この時代の犬のしつけやトレーニングの目的の一つは、上下関係をはっきりさせること。
飼い主の力を誇示するために、体罰などを用いて犬を制圧して従わせるという福祉的に好ましくない方法で行われていました。
残念ながら現在もいまだに行われている方法ではあります。
そもそもこの時期は室内犬というよりは外飼いが主流でしたので生活圏も違えばお手入れなどやることも生活環境が全く違った状況だったからうまくいっていたように見えました。
実は人や犬や猫などの動物は過度なストレスを受け続けると「学習性無力感」という状態になり、抵抗しなくなるのです。
虐待やDVを受けた人が相手の言いなりになるような状態です。
犬も上下関係を基盤とした強引な方法で学習性無力感の状態になっていました。
これが昔から続く良いとされていたしつけやトレーニングの方法です。
相談をして来て感じるのは一定の年代以上の方は、この方法での成功体験を持っている方(昔から犬を飼っていた)ほど、この上下関係の方法で環境が変わった今も同じ手法でしつけをしようとして余計にひどくなるという状態が横行しています。
今は人でも亭主関白はどうなんだと言われる時代ですから、時代の移り変わりで人の考え方や求めるものも変わってきたのでしょう
上下関係から「褒めるしつけ」と「信頼関係」が主流に
1990年代に欧米で犬の「褒めるしつけ(陽性強化法)」が主体になり、日本にも「犬にやさしいしつけ」という考え方が入ってきました。
人が求めている行動ができるように、ほめて犬の意欲を高める方法(モチベーション・コントロール)です。
当店でのしつけの考え方も陽性強化法を主体としているものです!
主におやつやおもちゃがモチベーションアップのご褒美になります。
好きな食べ物ランキングを作ったりするとより効果的です。
当店ではモチベーションを上げるためならばと安心安全でおいしい特製手作りおやつも販売していたりします。
しつけやトレーニングの方法は、福祉的に好ましくない上下関係の方法から褒めて伸ばす方法に大きく変わりました。
ただ、その教え方が違うだけで、人にとって好ましい行動を犬に求めるという結果においては大きな差はありません。
例えば人の指示で「おすわり」をしてもらいたい場合、好ましくない方法では首の締まるリードで吊し上げて座る行動を教えていたのに対して
褒める方法ではご褒美などで座る行動を誘導してほめて教えるという方法の違いがあります。
どちらも根底には人の指示によって犬の行動をコントロールするという目的には大きな差はありません。
ただ本人のメンタル的な部分でのストレスの差は歴然です。
人と違う生き物だからこそ犬の本能を尊重する考え方
犬猫との生活の中で飼い主さんからの指示で犬が行動することは必要です
犬が自ら好んで行動してくれるように褒めて教えることはとても大切なことです。
しかし、室内飼いの習慣が定着して住環境もペット可やペット用にリノベーションをしたりと
日本の文化がペットに馴染むに連れて
「人の都合で犬をどこまでコントロールしなければいけないのか」と疑問をもつ人が増え
「必要以上に犬をコントロールしない」という犬の特性や習性をを考慮したうえで
犬自身の本能を尊重する考え方も増えてきています。
在りのままの素の姿を好む日本人の動物観では、犬の行動を何でもコントロールする考え方が窮屈だと感じる人が増えてきたのではないでしょうか。
もともと犬と楽しく過ごして暮らしたい、犬に癒やされたいという目的で飼い始めますよね
そもそもお互い伸び伸びとストレスはない方が良いに決まっています
動物行動学の研究も進み、母と子の絆形成に重要な役割を果たす「オキシトシン(幸せホルモン)」が、人と犬の絆形成でも重要な役割を果たすことが明らかになりました。
養護したい人と養護されたい犬の関係は、「上下関係」ではなく「母子関係」に近いと考えられるようになってきました。
問題行動も人によって許容範囲は様々ですし、なぜやるかもその子の身を置く環境によって様々です。
ご家族でここまでは許容範囲だけど、ここからは良くないとメリハリをつけるようにルールを設けるのは必要になるでしょう
ここからは良くないというのを許容範囲まで改善していくのが今あるドッグトレーナーの役割なのだと思っています。
トレーナーの考えで全てこれは良い悪いと決めてしまうと飼い主も窮屈になってしまい楽しくありませんからね
岡田はご家族の希望のラインに沿って改善をしていくようにしています
良いと思っていた方法と一新したいしつけや考え方
しつけやトレーニングの方法と関係性の変化に加え、科学的な研究によって、良かれと思われてきたことがむしろマイナスだったり、別の方法で教えたほうが効果的だったりすることがわかってきました。
飼い主さんと愛犬にとって必要のないしつけや考え方を捨てて一新しましょう。
1つは食事の前のマテ
待ても本来の覚えて欲しい待てとは異なります
犬の前に食事を置いてマテをさせることは、待つことを教えているのではなく「食べることを禁止」している状態。
この場合、「目の前に食べ物があるのにもらえないのではないか」という不安が強くなっていき、フード・アグレッシブ(※)を助長します。
犬が待てなかったときに叱るのもNGの行動です。
飼い主さんとの関係が悪化してしまう原因になり、デメリットしかありません。
目の前の食事を食べさせずに待たせるのではなく
食事を準備しているときにマテをさせるのは問題ありません。
落ち着いて待てたごほうびとしてすぐに食事を与えてください。
2つ目は食器に手を入れてかき混ぜる
フード・アグレッシブの改善のために考えられた方法ですが、犬は安心して食事ができない状況では不安になります。
人だって食べているときにいきなり目の前に手を伸ばされたら嫌ですよね。
そもそも、食事中は邪魔をしない(睡眠中もしかりです)、安心して食事ができる環境を整えてあげることが、食べ物を取られるのではないかという不安を軽減することにつながります。
とにかく不安に思うことはしないのが鉄則です
3つ目は遊びは飼い主との勝負(おもちゃを力ずくで取り上げる)
引っ張りっこの遊びなどで、飼い主さんが必ず勝って終わる必要はありません。
勝つという事は完全に上下関係の考え方です。
ワンちゃんとの遊び方がうまくない人がかなり多数だなと感じています。
ワンちゃんと全力で遊ぶと人もかなり疲れます
それぐらい遊んであげてほしいなと思っています。
岡田は本気で遊ぶと10分が限界です。
最近では一人遊びやおもちゃに反応しないなどが多くなって現代っぽい状況だなと感じています。
そもそも犬同士で遊ぶと5分と経たず疲れたりしますが、散歩で2時間歩こうが疲れたりしない子もいますよね?
ちゃんとした体力の使い方をすれば運動不足でフラストレーションが溜まって問題行動に発展させずにすみます
犬の中での遊びとは狩りを模倣した行動なので、おもちゃを使って
という一連の流れを体感させることが重要です。
途中でおもちゃを取り上げていると、おもちゃを守ろうとして飼い主さんから逃げ回ったり、威嚇して守ろうとしたりするようになることがあります。
また、最後におもちゃを与えたほうが、飼い主さんからの指示への集中力が高まったり、
遊びを誘う頻度が増えたりすることが研究で明らかになっています。
狩りの行動を模倣する遊び方をすれば、自然とおもちゃをくわえて飼い主さんのところへ持ってきてくれるようになります。
特に投げて持ってきたりするのが好きな子はゴールデンレトリバーなどは名前にある通りレトリーブ(回収するという意味)の子は特に好んでいたり
犬種によっても狩りの方法は狩猟犬時代の流れに合わせてあげるととてもうなりながら楽しく遊んでくれます!
おもちゃは浮かして遊んだりではなく地面を這わして遊んでください
飛んでいる小鳥を追いかけることは稀で基本は地を動いている小動物を追いかけるからです。
長いおもちゃを地面で素早く動かす(小動物の動き)→犬に追いかけさせる→犬がくわえたら引っ張りっこ→犬に渡して存分にかませる
時に子犬の頃はリーチが長めのおもちゃを選ぶようにしてください小さいぬいぐるみは遊ぶのにはまだ適していません
この2つは耐久性もありおすすめです!
狩りの一連の流れで遊べると楽しいので、犬は飼い主さんにおもちゃを持ってくるようになります。
おもちゃは小動物の動きをまねして地面をはわせるのがコツです。
遊びは満足して飽きる前の腹八分目で終わらせて必ずしまうのが重要です。
引っ張りっこのときにおもちゃの動きを止め、犬が口から離すのを待って回収しましょう。
そして重要なのはおもちゃは必ず全てしまってください
出しておいていいものはゲージやクレート内で安全に使えるコングやビジーバディツイストなどの天然ゴムなどで作られる破壊され辛い誤飲されにくい知育玩具におやつを詰めておいてあげてください。
4つ目は犬の友達がいないとかわいそう
人と犬は母子関係に近い関係なので、犬にとって保護者である飼い主さんが重要な存在。
研究でも犬より飼い主さんといることに幸せを感じることもわかっています。
飼い主さんが愛犬とたくさん遊んであげれば、犬の友達がいなくても決してかわいそうではありません。
友達をつくるためにドッグランへ無理に連れて行くのはやめましょう。
人馴れや犬慣れをする場合はテンション高い子たちがいるドッグランよりパピーパーティーや成犬社交パーティーで少しずつ人や犬に対して悪い印象ではなく大丈夫な存在だと認識していい思い出として経験をさせてあげてください。
アイコンタクトだけに固執はしない
ワンちゃんに適量の食事と楽しい遊びを提供していれば、ワンちゃんは飼い主さんに期待して注視する時間が増えます。
また、犬が人と遊ぶ前と後の血中のオキシトシン濃度を調べると、犬は57%も上昇していました(猫は12%)。
犬が求める欲求にきちんと応えてあげれば、自然に飼い主さんを見つめる時間が増えてきます。
要求も答えても良い要求とダメな要求とで飼い主によって違ってきます。
要求も帰ってきたときのテンションのうれしさには反応してもいいと思いますし、遊びたいときのプレイバウなんかの遊びたい要求ポーズに対しておもちゃを出してあげることで好きなおもちゃを出してくれる良い飼い主としての魅力度もあがります!
要求で噛んできたり破壊行動をしたりの場合は要求を無視したりしてその要求はのまないよとしなければならないのは事実ですので
家族によって要求の許容範囲も決めておきましょう
アイコンタクトは犬の競技会の発想になります
よく岡田は集中して欲しいときの練習として教えてはいきますが、キッカケでしかありません
実は犬の動作をよく観察してもらうと、人の「目」ではなく「口」を見ています。
口から出る指示に反応するとごほうびをもらえるからでしょう。
ここ数年ではマスクを着けていることが多く、口元の動きが伝わりづらくてしつけの際に難しいなと感じていました。
犬の洞察力は素晴らしく体の動きや口元ならず、指を向けた方向が分かるといった才能があります
その才能を活かしてあげるとよりよくコミュニケーションが取れるかと思います
いくら褒めるしつけとはいえ、目を合わせることばかりに固執して
日頃から犬が求めていることに応じてあげなければ
本当の意味で飼い主さんに期待して集中してはくれません。
飼い主への期待感を高めることがとても重要になります!
よくトレーナーのいう事は聞くけど飼い主のいう事は聞かないというのもいくつかは理由はあります。
その一つとしてドッグトレーナーである自分たちは褒めるタイミングも0.03秒以内で適切なタイミングと、ご褒美をあげるのもサプライズ感を出したり、正解の動作をしっかり固定して中途半端ではなくこれが正解というものを順序だてて分かりやすく伝えていく技術を身に着けています。
この技術だけでもワンちゃんからしたら分かりやすく、そして自分の要求や望みを正しく理解して、その対価も適切にくれて、望みを聞いていると自分に得だし、とてもいい思いをさせてくれる良い人だという認識になってくれます。
これには練習や観察力がいりますがその点もしっかり当店では教えていきますので安心してくださいね!
人にとって望ましい行動を習慣化させるこれが社会化(しつけ)
犬のしつけの目的は、一緒に生活するうえで幸せになるための所作を犬に身につけてもらうこと。
人も世の中に出るときに交通ルールや犯罪を起こさないように道徳やマナーなど色々学んでいきますよね?
それを人の生活に馴染んでもらうためのルールとして教えていくのがしつけ(社会化)です。
人がコントロールするのではなく人にとって望ましい行動を習慣化させる必要があります。
まずは飼い主であるみなさんが「おうちの子にどんなことを覚えてもらいたいか」「どんな子に将来なって欲しいか」と考えることで、本当に必要なしつけが見えてくると思います。
とはいえ子犬のころから社会化やトレーニングをどれほど行っても、学習には限界があります。
なのでしつけをすれば噛む行動や吠えなどが完全になくなるなんてことはありませんし、パニック時には普段温厚で噛んだことない子でも噛んできます。
ノーリードなど飼い主のマナーでそこは防いであげるしかありません。
人も犬もルールやマナーを守って生活することで円滑に楽しい生活が送れます。
犬にも本能的な欲求があることも理解してあげましょう。
犬は人とは違う動物という当たり前でシンプルなことから考えて、犬の特性や習性への理解を深めてくださいね。
人も人間らしい行動を制限されるのは人権侵害としてタブーとされていますよね?
犬猫らしい習性を尊重してあまり抑圧的にならずに、お互いを理解して生活していくことが人と動物の共生に繋がるのではないかと思います。
その共生(シンビオーシス)の意味を持つ当店が犬猫を飼われているすべての飼い主の方とおうちの子がお互いストレスなく楽しく暮らせる毎日を作って行ければなと思っております。
飼育方法やお手入れやしつけなど分からないことや、気になることなどは岡田にお気軽にいつでもご相談くださいね!