【プロが解説】犬に主従関係&上下関係はない!家族関係を構築しよう!

こんにちは!
埼玉県さいたま市北区にある
犬猫専門飼育相談&しつけ教室
Pet Life Consulting シンビオーシス
代表の岡田敏宏です!
ドッグトレーナーCPDT-KA®・愛玩動物看護師・トリマー
~略歴~
世界的なドッグトレーナーの国際資格である
CPDT-KA®資格に愛玩動物看護師の国家資格保有
人気雑誌「いぬのきもち」を監修している。
この記事では
- 犬の飼育初心者で犬の知識を学びたい方
- 今まで飼育していたが新しい知識を学びたい方
- 上下関係が大事でリーダーになるべきと聞いたことがある方
主従関係や上下関係が大事で飼い主はリーダーにならないといけないと学んだことがある方には特に必見の内容です
ドッグトレーナーとして最新の知識を皆さんに知っていただくために
- 目的別に
- 注意点やポイントを押さえながら
- すごく分かりやすく
- 簡潔に
今回は犬の主従関係についてをご紹介します
この記事の内容についてはYouTubeでもお話していますので良かったらご覧ください

時代が進むにつれて研究も進んでいきます
最新知識に一緒にアップデートしていきましょう!
主従関係は恐怖や不安を与え問題が増える

あなたはこんな最新知識を知っていましたか?
昔のしつけ方法は
吠えたり、問題行動を起こしたら
そのやめさせたい行動を止めるだけでした
「ダメ」と叱ったり
物音を出してびっくりさせたり
マズルコントロール(口や鼻)を掴んだり
仰向けなどで抑え付けたり
リードを引っ張ったり
飼い主が上になる「主従関係」のもとで
躾をしなきゃいけないのが常識でした
しかし今はこの主従関係の方法では
恐怖と不安を与え問題行動が助長
されると研究結果が出ています。
また叱っても反省できないという研究もあり
今までの常識とされていたものが
全くの逆になってしまいました
覚えておきたい代表的な研究論文
- 犬は人に対して上下関係を求めず、問題行動が生じる原因として上下関係は関連性がない
- Bradshaw et al,2009
- 力や体罰によって犬を制圧するしつけ方や行動修正法は、問題の改善どころか更に悪化し犬の福祉が損なわれる
- Yin,2007;Herron et al.,2009
- 支配性理論(上下関係を保つことが重要)に基づいた、力や体罰によって犬を抑圧するトレーニング方法は用いるべきではない
- APDT:The Association of Professional Dog Trainers,2009
- 犬は怒られても前頭葉の大脳皮質が7%と人の30%に比べ未発達で道徳心や倫理観、善悪の判断など反省することは非常に困難。反省している仕草「目を逸らす」「俯いて上目遣い」「伏せてじっとする」などの行動は叱ることに対しての「恐怖や不安を表す反応」で反省しているわけではない
- Behavioural Processes,Alexandra Horowitz,2009
※各研究論文より一部文章抜粋
先祖のオオカミも主従関係はなく家族関係を作る

今のしつけ方法は「褒める」
そもそも主従関係の説は祖先がオオカミだから
群れとしてリーダーを作るからと
言われていたものから来るものでしたが
そのオオカミの前提が間違っていて
オオカミは階級制度ではなく家族関係で
明確なリーダーは存在しないというものでした。
参考研究:Packard.2003
それ以前やその後の研究でも
犬の中でも明確なリーダーは存在しない
と研究結果が出ています。
参考研究:Macdonald and Carr,1995,Pal et al.,1998,Cafazzo,et al.,2010

そもそもが犬の祖先はオオカミで群れを作って生活しているといわれていたことからくる主従関係説で
群れのリーダーに倣って飼い主もリーダーにならないといけない
なめられてはいけないなどいわれていましたが
元のオオカミが主従関係はなく家族関係を構築し
犬の中でもリーダーはいないという事実も確立し
主従関係説は15年前に終焉を迎えているはずでした…
しかし日本での知識の広まりが滞ってしまって、SNSでは悩みの投稿に他の飼い主やトレーナーと名乗る人が「リーダーにならないとだめですよ」「上になっていうことを聞かせる」「ダメやノーなどと𠮟らないといけない」などコメントも散見されておりまだまだこの知識を知らない人が多い印象です。
現在でも主従関係説が展開されている現状…

15年以上前から言われていたものでも
知らない飼い主さんや
さらに驚くことにトレーナーの中にもいます
見聞きした常識は簡単には覆りません。
信じることが出来ないからです。
これは至極当たり前のことです。
特に犬の飼育世帯は日本の全世帯の10%ほどの少数派
その中でもしつけ教室に通っている世帯は10%と
全世帯で言うと1%しかしつけ教室などで学んでいる人がいない事実があります。
しかし固定概念や古い知識を捨てなければ
解決できるものもできなくなってしまいます。
最新情報は普段手に入れようとしないと
中々入ってこないものです。
しつけ教室などに通うことで最新知識を知る
キッカケを作ることができます
やって欲しくない行動を止めるのではなく
人でも「叱る」と「怒る」の違いと同じで
「ダメ」と恐怖や不安を与えるのではなく
飛びつくのではなく何をしていたらいいのか
飼い主が自身も
飼育やしつけの知識を身に着けて
ルールと正解を教えてあげることで
自発的に考える子に育ち
おうちの子は正しい行動してくれて
↓
問題は解決していきます
結論:犬に主従関係はないので家族関係を構築しよう


恐怖や不安を与える飼い主にならないように
楽しく褒めてルールを教えるトレーニングを目指しましょう!
店舗・出張・オンラインで相談受け付けていますので
学びたい方は予約お待ちしております。

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